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【意外と知られていない】究極目的とは?〔法第1条:目的〕

建築基準法は「最低の基準」を定めている。と理解している方が多いと思います。
もちろんそれも正解ですが、それだけでは不十分というか勿体ないです
建築基準法の目的、究極目的を知ることで、建築基準法が正しく理解でき、さらに理解速度が大幅にアップできます!

まずは原文をみてみましょう!


この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする。

建築基準法第1条

原文のままではわかりづらいので分解してみます。
法第1条は目的規定で
建築基準法という法律が目指す「目的」さらにその上位の「究極目的」そしてそれを実現するための「手段」が書かれています

 ◯ 手段:この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、
 ◯ 目的:国民の生命、健康及び財産の保護を図り、
 ◯ 究極目的:もって公共の福祉の増進に資することを目的とする。

手段として「最低の基準」として定めているのは実はとてもシンプルでたったの4つです。
 ①建築物の敷地
 ②建築物の構造
 ③建築物の設備
 ④建築物の用途

次に、目的は3つでいずれも「保護」
 ①国民の生命の保護
 ②国民の健康の保護
 ③国民の財産の保護

そしてココがポイント
 究極目的は「公共の福祉の増進に資すること」です。

公共の福祉とは日本国憲法で使われている言葉で
すべて国民は、個人として尊重されますが、それと同時に他人の人権も侵害してはなりません
この人権と人権のぶつかりを調整するのが法律の役目の一つといえます 
しかし法律もまた人権を侵害してはいけないので、制限などがあくまで最低限でなければいけない、というのがよく理解できると思います

※憲法と法律の位置付けなどが知りたい方向けに別記事を作成中です。

究極目的が理解できると
3つの目的、4つの最低の基準の捉え方が変わってくると思います
法の目的規定を正しく理解して
建築基準法をそれぞれの立場で向き合っていきましょう
それでは!
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この記事を書いた人

・建築基準法関連の業務を10年以上やっています
・指定確認検査機関の中の人(現役です)
 (プライベートでは2児の父)
・資格は一級建築士、建築基準法適合判定資格者(いわゆる主事資格)など
・得意分野は意匠系、排煙規定、検査済証がない既存建築物の法令調査など
・実績は7,000件以上、戸建住宅、事務所といった小規模・非特殊建築物から工場、劇場、百貨店、空港等の大規模・特殊建築物など様々物件の審査・検査・調査・相談などの豊富な経験があります

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という悩みがあり、それなら自分でつくってみよう!と思ったからです。
(誰も見てくれなくても自分が見たいものを作ろうと思って続けています笑)

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・客観的事実と個人的な意見をわかるように分けて、情報のエビデンス(根拠)をしっかりと示す

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建築は新築から既存ストックの活用が求められる時代へ変化しており
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